今回はベーコン、ショルダーベーコン、ボンレスハムを各1kg作りました。
いろいろレシピはありますが、基本的にベーコンとハムは同じ下ごしらえ、燻製で出来るようです。
ハムは途中に成形、最後にボイルの工程があります。
せっかくなので少しハムとベーコンについて調べてみました。
ハム(ham)自体が英語でもも肉の意味。元々は骨付きもも肉で作っていたが、そこから発展して骨なしもも肉で作ったものをボンレスハム(boneless)、ロースで作ったものをロースハム、肩ロースで作ったものをショルダーハムと呼ぶようです。
ハムは必ずしも燻製が必要なわけではなく、火入れ(茹でたり、蒸したり)や乾燥(生ハムなど)などしてそのまま食べられる状態であるものをいうようです。
あと紐で縛ったり、網に入れたり、さらしで包んだりすることが多いですが、これも必ずしも必要なことではなさそうです。
なので、おそらく定義的には塩漬けし、ボイルやスチームで火入れした、もしくは乾燥させたそのまま食べられる状態の豚肉といったところでしょうか。
色々なパターンがあるハムに対し、ベーコンはシンプルです。
必ず燻製が必要で、その後に火入れはしません。
定義はバラ肉を塩漬けして燻製した肉。たぶん。
肩ロースで作るとショルダーベーコン、ロースで作るとカナディアンベーコンと呼ぶそうです。
ハムはそのまま食べることが多いですが、ベーコンは焼いたりしますよね。
なのでベーコンは必ずしも火がちゃんと入ってなくてもいいようですが、私はなんとなくこだわりで、そのままでも食べられるベーコンを作りたいと思います。
ちなみに前回のベーコンも自分では火入れ(殺菌)したつもりなのでそのまま少し食べましたが、その後いろいろ調べた結果、おそらく中までちゃんと火が入っていなかった可能性が高いです。
前回は振り塩法で行いましたが、今回はソミュール液を試してみました。
肉1kgに対して
水 500ml
岩塩 35g
黒胡椒 つぶのまま6g
ニンニク 2片 スライス
生姜 小1個 スライス
タカノツメ 1本 輪切り
一煮立ちさせ、汁以外は捨てて、冷まします。
塩分濃度も本当に人それぞれですね。3%の人もいれば20%の人もいるようです。
ネットなどであまりにいろいろな情報をかいつまんだ結果、今回はこのようになりました。
生姜は余計だったかな。。
以下、工程です。
1日目 血抜き
今回は試しに血抜き工程を追加しました。
肉をよく洗ってから、キッチンペーパーで水気を取ります。
肉1kgに対し100gの粗塩を擦り込んでビニール袋に密封し冷蔵庫で一晩寝かせます。
2日目 塩漬け
ビニール袋から肉を取り出し塩を洗い流します。
どの肉からも思いの外ドリップが出ていたので今後も血抜きは行おうと思いました。
塩漬けの前に作っておいたハーブウォッカに肉を30分ほど漬けました。
漬け込み時間を短縮するための措置のようなので今後は必要ないかも。
あと前回はフォークで肉に穴をあけたのですが、これも必要ないと感じる人も多いようなので今回はしていません。
ソミュール液に浸け、ビニール袋で密封して冷蔵庫で寝かせます。
今回は5日間寝かせました。
塩漬期間が長いほうが美味しいという意見が多いので本当は2週間位寝かせたいところですね。
7日目 塩抜き、乾燥
肉をよく洗いボウルにいれ、流水で塩抜きします。
3時間後それぞれ少しずつ切って焼いて塩加減を確認すると、バラ肉だけやけに薄く、肩ロースともも肉はまだしょっぱい。
バラ肉は肩ロースと同じビニール袋に入れてたので不思議に思い、別のところを切ってもう一度確かめたけど結果は同じだったので、バラ肉は塩抜き完了。
肩ロースともも肉は塩抜き続行で30分に一度くらい味見していましたが、なかなか塩分が落ちず、夜の作業で眠くなったので5時間で切り上げました。
ハムは最後にボイルするのでまだいいとして、ショルダーベーコンがどうなってしまうか少し不安です。
塩抜き後、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫に入れ一晩乾燥させます。
もっと気温が下がったら外に干したほうが良いようです。
8日目 成形、燻煙
今回は電気コンロとスモークウッドを両方使うので脂が落ちないように間にお盆をはさんでいます。
ベーコンは前回長く伸びてしまったのですが、横に吊るせば伸びないそうです。
ここで初めてハムのみの工程、丸く形成します。
これもいくつか方法があるようですが、私の場合はさらしで巻いて両端と全体をタコ糸で縛りました。
もも肉の場合はもともと丸いので楽でした。
スモーカーを電気コンロで50℃まで温め、肉を吊します。
50〜60℃で1時間半温乾燥を行った後、スモークウッドに火をつけました。
前日からの乾燥も含め、乾燥具合で食感や味が変わるようなのでここも色々試したいポイントですね。
煙の匂いは前回のサクラに比べるとあっさりな感じですね。
ちなみにヒッコリーだけ他のウッドより高いです。
またヒッコリーは日本にあまり自生していないため、アメリカからの輸入木だそうです。
他メーカーではオニグルミをヒッコリーとして販売しているところもあるようですが、ヒッコリーはクルミ科ペカン属、オニグルミはクルミ科クルミ属なので厳密にはヒッコリーではないとのこと。
まぁ、美味しかったらなんでもいいんですが、北米ではベーコンやハムの燻製はヒッコリーが使われることが多いようなので今回はこだわってみました。
その後ゆっくり温度が上昇していき、ちょうど3時間後80℃でスモークウッド1本終わりました。
たまたま外気温と合ったのか、今日は温度の調整はほとんどしなくて大丈夫でした。
あと昼から夜にかけての燻煙だったので、外気温はだんだん下がったはずですが、スモーカー内の温度は最後が一番高い状態でした。
おそらく木製のスモーカーが徐々に蓄熱していって保温効果が現れたのだと思います。
ここでハムだけ取り出して、ベーコンとショルダーベーコンはそのまま火入れします。
調べた情報によれば、豚肉は63℃30分で殺菌されるようですが、スモーカー内の温度と肉の中心部でかなりの温度のギャップが生じるようです。
なので、燻煙後、殺菌のため75〜80℃で2時間温乾燥を行い終了しました。
午後1時過ぎから始めたため外はもう真っ暗です。
出来上がりはこんな感じです。(上ショルダーベーコン、下ベーコン)
ベーコンは伸びずに済みましたが、今度は波うっちゃいました。
次回はフック5本くらい使って波打ちを防止したいと思います。
荒熱が取れたらラップで包んで冷蔵庫で一晩寝かせます。
取り出したハムはこちらも殺菌のため、65〜75℃で2時間ボイルし終了です。
おそらくですがボイルの場合は水温と肉の温度は同じくらいになると思われます。
この後、氷水でしめ、さらしを取って、ラップで包んで冷蔵庫で一晩寝かせました。
翌日、まずハムから。
しっとり完璧なハムです。
塩抜きが甘かった分、少しだけ塩気が強いですが許容範囲です。
風味も不思議なほど売ってるハムと同じです。
ただ売ってる加工肉(もちろん全てじゃないですが)は調べれば調べるほど口にしたくなくなりますので、その点自分で作ったものは安心です。
ベーコンの場合、味や香りはあるにせよ、結局は豚肉感が強いですが、ハムはハムですね。
工程が多いこともありますが、ハムの方が達成感があります。
続いてショルダーベーコン。
残念ながら赤身の中心部あたりが若干生っぽい。。
厚みがあるので火入れが足りなかったようです。
それと懸念していたことですが、しょっぱい。。
次回はちゃんと火が通るようにまた挑戦します。
美味い。
ベーコンは最初から嫁ぎ先が決まってたのでそのまま渡しました。
おそらくですが、バラ肉は厚いところでも肩ロースの半分ほどなので火は通っていると思います。
塩抜きがやけに短時間だったのが気になりますが。。
普段料理をしない私が、ベーコンは今回で2回目、ハムは初めてですが、その出来に驚きです。
自画自賛しているわけではなく、そんな私でも出来るので興味のある人は是非やってみてください。
きっとハマりますよ。
データ
対象:ベーコン、ショルダーベーコン、ボンレスハム
材料:バラ肉1kg、肩ロース1kg、もも肉1kg
塩漬:ソミュール法 5日間(水500ml、岩塩35g、三温糖20g、黒胡椒(ホール)6g、ニンニク2片(スライス)、生姜小1個(スライス)、タカノツメ1本(輪切り)、タイム2茎、ローリエ2枚、ローズマリー2茎)
塩抜:バラ肉は流水3時間、肩ロースともも肉は流水5時間
風乾:冷蔵庫で一晩(13時間くらい)
温乾:50~60℃ 1時間半
燻煙:ヒッコリーウッド+ピートパウダー、60~80℃ 3時間
湯煮:65~75℃ 2時間(ハムのみ)
火入:75~80℃ 2時間(ベーコン2種のみ)
熟成:冷蔵庫で一晩
次回に向けたメモ
自分には振り塩法の方が性分的に合ってる様な気がする。
またレシピも出来るだけシンプルにしたい。
今回ソミュール法で色々入れてみて実際複雑みも感じましたし美味しかったのですが、塩、砂糖、胡椒、ローリエくらいで美味しければその方がいいかな。
塩漬け期間や乾燥時間、燻煙時間も人それぞれなので色々試したい。
塩抜きはしっかり行う。
肉の穴あけは今後も必要なさそう。ソミュールだったからかも。要実験。
バラ肉は最初の段階で赤身とバランスが取れるように脂をトリミングしたほうがいい。